シニアバックパッカーの中央アジア旅日記

ウズベキスタンとキルギス周遊16日間

旅の総費用

今回の旅行で使ったお金は総額で約17万円でした。内訳は交通費が11万、宿泊費が2万5千、食費が2万、その他雑費が1.5万というところです。交通費のうち7万円は往復の飛行機代です。3カ国を移動したのでその交通費がかさみました。広告で見るシルクロードパックツアーだと1週間で二十数万円はかかるので、17日間でこの金額はまあまあ抑えられたかなと思います。

 

それにしても悔しいのは、鉄道チケットの2重払いの分を返金してもらおうと、ウズベキスタンに着いて初日にわざわざ駅まで行って長い時間をかけて返金手続きをしたのに、結局そのお金は帰ってくることがなかったことです。窓口のロシア人女性は、クレジット口座に入金されます、と言ったのに。どこか中間でくすねた奴がいるのだろうか。日本円にしたら千円ぐらいのものだからあきらめはつきますが。

 

 

食あたりのこと

旅行の楽しみの一つは未経験の味や食感に出会うこと。そして美味しい食べ物に出会った喜びは格別です。逆に食事が合わなかった場合は悲惨なことになります。

 

今回の旅行はまさに後者でした。前半は楽しく旅していましたが、ヒヴァでMさんO君と酒を酌み交わしてから宿に戻って後、夜中に激しく嘔吐しました。どうもそば粉を使った料理に当たった気がするのです。ただ食あたりになったのは私だけでMさんO君は平気だったのは、ただの悪酔いだったのでしょうか。それからというものローカルの料理は匂いを嗅いだだけで吐き気を催すようになり、全く食欲が失せました。なんとか果物だけは喉を通るので果物を主に食するようになりました。日本に帰ってからずいぶん痩せたと言われたものです。

 

カザフスタンのアルマティで、例によって小型の桃やバナナなどをスーパーで買って、

宿で桃にかぶり付いた際、切り口で何かが動くのが見え、よくよく見ると尺取り虫のような虫が動いていたのでした。思わず吐き出してしまいました。この話を海外経験の豊富な先輩のIさんに話すると、虫がいるのは当たり前、虫がいるからこそ美味しいのだ、と言われてしまいました。まだまだ修行が足りないなあ。

ロシアのこと

旅行中にロシア人らしき旅行者をたくさん見かけました。ロシア人からすれば、ちょっと前まではソ連という自国の一部だったわけだし、言葉も通じれば文字も同じだから、自国を旅行するようなものでしょう。

 

そしてGDPでは韓国ぐらいの規模のロシアに中央アジア諸国が経済的に依存しているという現実があります。中央アジア諸国の若者の多くがロシアに出稼ぎに行っているらしい。ブハラからホステルに向かうタクシーで、運転手は若い頃ウラジオストックの自動車工場で働いていたと言っていました。ロシアによるウクライナ侵攻で世界の多くの国がロシアを非難しましたが、中央アジア諸国は悲しいかなロシアと縁を切ることはできそうにありません。

 

ウズベキスタンで最初に泊まった宿で見かけたロシア人らしき少女は、体全体がマッチ棒のようにに細く手足が異様に長かった。東洋人にはこんな体型の女性はいないでしょう。ところが年齢を重ねるとロシア女性は例外なくふくよかな体型になる気がします。ブハラのバスで同乗したロシア人おばさん3人はイメージ通りの体型でした。そのおばさんの一人は、私が日本人と知ると、自分は昔ウラジオストックに住んでいたのよ、と言うのです。ウラジオストックに住むとやはり対岸の日本を意識するのでしょうか。敵性言語の英語をちゃんとしゃべってました。

イスラムのこと

中央アジア旅行から丸3年が経ちました。この3年間は新型コロナウイルスの世界的な流行により海外旅行はおろか国内旅行もままならない期間でしたが、ここに来てやっと海外旅行の制限が緩められてきたので、新たな旅を計画しています。

その前に、旅行中に書かなかったエピソードを綴っておこうと思います。

 

キルギスの宿に泊まった初日、礼拝に誘うアザーンの声で目が覚めました。時計を見ると4時半。拡声器を通して朗々と響き渡るその声は直接内臓に届くような感じがして、ムスリムでもないのになぜか厳粛な気持ちにさせられました。つくづくイスラムの国に来たと実感したものです。

 

中央アジア諸国はいずれも主要な宗教はイスラムですが、中東諸国のように厳格なものではありません。酒も飲めれば、女性が黒いベールをかぶっているということもありません。特に中央アジアでよく見られる聖者廟参りはもともとイスラムの教えにあったとは思えず、現世利益を願う民間信仰が入り交じっているように感じられます。

 

帰国

9月15日午後4時、福岡空港に降り立ちました。

不自由で不便で不衛生な外国から帰ると、日本がこの上なく素晴らしい国に思えます。

でも何ヶ月かしたらまた不自由さを求めて旅に出かけたくなる気がします。

 

道に迷ったり言葉が通じなくて困ったことなど日記には書かない出来事がたくさんありました。文字も読めない、言葉も通じない世界にぽつんと一人置かれた時の心細さといったらありません。中国のように漢字が並んでいるだけでも何となく安心です。

最後は何とかなりましたが、それも貴重な体験かなと思います。帰国便のタシケント空港で出会った若者は、サマルカンドのホテルで金を盗まれたと言っていました。金は戻ってこなかったけど、ホテルや警察の人にとても良くしてもらって逆にいい思い出になったそうです。

 

今回3か国を回りましたが、複雑な民族の交錯を垣間見ることができました。ウズベク人、キルギス人、カザフ人、タジク人が自国ばかりでなく他国にも住んでいます。ブハラで出会ったカザフ人の青年によると、ウズベク語、カザフ語、キルギス語はもともとトルコ語系で文法も同じだし単語の発音が違うぐらいなのでウズベク人、キルギス人の会話は60%ぐらいは理解できるそうです。しかし、サマルカンドやブハラにはタジク人もたくさん住んでいて、タジク語は聞いても全然わからないと言っていました。タジク語はペルシャ語系なので別系統になります。それぞれ多民族国家なので、自国語とロシア語は学習していて、共通する言葉はロシア語ということになります。昔からシルクロードの交易に従事するオアシスの民はバイリンガル、トゥリリンガルが当たり前でしたが、その伝統を引き継いでいるように思えます。

 

スマホの登場で旅の仕方も随分様変わりしました。外国にいてもメール送受信や最新情報の入手ができるし、便利なアプリが旅を快適にしてくれます。またネット上の先人たちが旅先の情報をいろいろ残してくれていて大変助かりました。ただ、翻訳アプリは相手に見せても首をかしげる場面が多々あったり、カメラ入力で出て来る日本語が意味不明だったり、翻訳の精度はまだまだだと感じます。

 

さてこの旅日記は、多分旅行中夜は暇で仕方ないだろうと思って始めました。まさにその通り、夜の退屈しのぎにもってこいだったのですが、今となっては読んでくださってる人がいることが励みになり、辛い中でも旅を続けられた面があったことは否定できません。

 

ご愛読どうもありがとうございました。

 

 

 

 

アルマティからタシケントへ

ホテルからアルマティ空港まで1時間半かけてバスで行きました。

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アルマティ空港

空港から見えたキルギスカザフスタンの国境の山々。スイスのアルプスのように見えました。

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上空よりキルギスカザフスタン国境の山々を望む。

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 昼頃タシケントに到着。時計の針を1時間戻しました。

3度目のタシケントです。暑い。秋から真夏に戻ったようです。Tシャツ1枚になりました。

相変わらず白タクがしつこく追いかけてきますが、バスの乗り方を知ってしまったので怖いものはありません。

 

タシケントですることはもう何もありません。

投宿したホテルの近くにウズベキスタン工芸博物館がありましたので見学に行きました。

スザニのコレクションが充実しています。

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建物自体が美しい模様で彩られています。

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スザニやイスラム建築の美しい模様は、イスラム偶像崇拝を禁止したからこそ発達したのではないかと思いました。

 

ウズベキスタンのスムが残り少なくなり、夕食1食分も残っていません。US$かクレジット払いができる店があるかどうか。現地の食べ物は避け、近くの韓国料理屋に入りましたが、US$払いはダメと断られました。ガイドブックを見ると20分ぐらい歩いたところに日本料理屋があります。ここなら無理を聞いてもらえるかもしれません。

その店の名前は「いずみ」。クレジットカードのアクセプタンスマークが貼ってます。助かりました。ウズベキスタンではクレジットがほとんど使えないのです。(アルマティではスーパーの買い物もみんなクレジット払いにしていました。キャッシュレスが進んでいました。)

 

さて、メニューを見ていてこの店は韓国人が経営しているに違いないと確信しました。

外国の日本料理屋の多くは実は韓国人か中国人がやっている、というのは有名な話です。

日本料理屋らしく、メニューの最初には寿司やてんぷらやうな丼などが並んでいますが、そのうちキムチ、ビビンパ、チゲ、プルコギと韓国料理のオンパレードです。

知らない人が見たらこれも日本料理だと思ってしまうのでしょうね。

何を注文したかというと、もちろん日本料理より安くて、韓国人直伝でおいしいに違い

ない韓国料理のビビンバでした。おいしかったです。

  

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ビビンパ

ビール付けてUS$9.32でした。

 

明日はソウルに向かいます。