シニアバックパッカーの中央アジア旅日記

ウズベキスタンとキルギス周遊16日間

旅の計画と準備

旧ソ連側のシルクロードを擁する中央アジアはなかなか立ち入ることのできない地域でしたが、2018年2月にウズベキスタン入国の際のビザが免除されたことを機にぐっと身近な存在となりました。旅行作家の下川裕治氏の最新エッセイの中でも今一番おすすめの旅先としてウズベキスタンが挙げられています。

 中央アジア5か国のうち、ビザが不要なのはウズベキスタンキルギスカザフスタンの3か国。ビザをわざわざ取るのは面倒なので、旅もこの3か国中心に行こうと思います。

旅の前半はウズベキスタンの4つの世界遺産サマルカンド文化交差路、シャフリサブス歴史地区、ブハラ歴史地区、イチャン・カラ)を巡り、後半はキルギスにわたって天山山脈に抱かれた大自然を満喫したい。

 

 

飛行機チケットの予約

ウズベキスタンには福岡からは直行便は就航してないため仁川乗り換えとなります。仁川まではイースター航空というLCC、仁川~タシケントウズベキスタン航空でチケットを取りました。中央アジアには大韓航空アシアナ航空ウズベキスタン航空の3社が毎日仁川~タシケント便を飛ばしているのです。これは第二次大戦に際し、国境の朝鮮人が日本に協力することを恐れたソ連が大勢の朝鮮人中央アジアに移住させたという悲しい歴史に由来するらしい。中央アジアにはその朝鮮人たちの子孫が生活を営んでいるのです。往復チケット代は福岡~仁川は11,000円、仁川~タシケントは56,000円、合計で8万円以内に収めることができました。

 

■鉄道乗車券の予約

ウズベキスタン旅行の楽しみの一つはタシケントサマルカンド~ブハラの高速鉄道乗車。そしてもう一つはブハラ~ヒヴァ間の夜行列車。この列車は何と線路区間の6-7割が隣国トルクメニスタンを走っているのです。トルクメニスタンは観光客を拒絶しているような国で、個人で観光ビザを取得するのはまず不可能です。トルクメニスタンを旅行しようとすると、比較的容易な方法は第三国に抜けるトランジットビザを取ることですが、それも忍耐力と時間的余裕がないとだめなので今回はあきらめました。で、なぜこの列車がトルクメニスタン領内を走ることができるかというと、領内で停車しないからいいのだということです。ビザなしでトルクメニスタン領内を駆ける・・・それは大いに「テツ心」を刺激する話ではないですか。

https://www.rome2rio.com/map/Bukhara/Khiva

列車の予約はウズベキスタン鉄道のホームページから。

https://eticket.uzrailway.uz/?lang=en

45日前から予約ができるのですが、タシケントサマルカンド間の特急”アフラシャブ号”だけは5日前にならないと画面に表示されないことがわかりました。この区間のアフラシャブ号はすぐに売り切れると聞いていたので気をもみましたが5日前の夕方に空席を見つけ無事ゲットしました。

(ホームページは 英語表記に変えられますが、地名はキリル文字のままだしとても使いづらいのですが、日本語で親切に操作方法を教えてくれているブロガーさんがいて、その方の説明に沿って予約ができました。本当に助かりました!)

 ■SIMカードの購入

 個人での海外旅行にスマホは必須です。特に地図アプリ、翻訳アプリ、通貨換算アプリの3つは常時使用することになるでしょう。ところが情報によるとウズベキスタンは通信事情はあまり良くないらしい。WiFi完備のホテルでもロビーでメールを送受信するのがやっとという情報もありました。スマホが普通に使えるようにまずWifiルータをレンタルすることを考えました。しかし18日間もレンタルすると費用が数万円になってしまうため、早々にあきらめました。メジャーな旅先なら日本で海外SIMを購入していくという手がありますが、それもできないので現地でプリペイドSIMを買って入れ替えていくしかないかと思っていたところ、世界150か国で使えるSIMカードというのをネットで見つけました。150か国の中に訪問する3か国が含まれていることを確認。中継地の韓国ももちろん含まれていました。

https://flexiroam.co.jp/

「貼るタイプ」と「カードタイプ」の2種類のSIMがありますが、貼るタイプなら入れ替えそのものが不要になるので貼るタイプを注文しました。ところが届いたSIMを挿しても接続がうまくいかずサポートに連絡したところ、端末との相性で貼るタイプがうまく作動しないことがあるとのこと。カードタイプに変更か返金します、とのことだったのでカードタイプに変更してもらいました。そして届いたカードタイプで無事接続ができたのです。良かった!サポートも迅速対応で高評価です。貼るタイプのほうが良かったけど仕方ない。デザリングも試してみたけど問題なくできました。

世界150か国の中に日本も含まれているので、出国前に動作テストができるのがこのSIMの利点です。さらに出発前にSIMを差し替えておけばもとのSIMを持っていく必要もなし。旅行中にもとのSIMを無くす心配もないわけです。

 

■オフライン用地図のダウンロード

ネット情報では、旅行中は通信量抑制のため地図アプリはできるだけオフラインで使うほうがいいらしい。オフラインマップのMAPS.MEとグーグルマップの両方をダウンロードし使い分けることや、グーグルマップで登録した地点をMAPS.MEにコピーする方法など、ブロガーさんたちの記事から教わりました。

ところで、移動手段の検索には”rome2rio"というサイト(アプリ版もあり)が役立ちました。移動手段に関してはグーグルマップより優れていると言えます。グーグルマップでは検索しても出てこないもの(電車など)があります。

 

ほかに航空券の予約はスカイスキャナー、ドーミトリーの予約はBooking.comを使い日程のほとんどを埋めました。

 

ウズベキスタンの治安状況

「~スタン(ペルシャ語で~の土地)」がつくと危ないところ、というイメージがありますが、実際のところはどうか。2018年版の世界テロ指数(Global Terrorism Index)を見ると、テロの指数が高いのは1位イラク、2位アフガニスタン・・・と来て、中央アジアの5か国は日本(67位)より下位にあります。治安は悪くない、と考えてよさそうですが、それでも外務省の危険情報によると国境付近は危険レベル2や3に指定されています。

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特にタジキスタンおよびキルギスと接するあたりは国境線が複雑に入り組んでいるばかりか、他国の中に自国の飛び地があるという複雑怪奇な状態になっていて、その飛び地が反政府勢力の温床になっていたりしてとても危ないようです。ここには近づかないのが無難です。