タシケントからビシュケクへ
旅の前半が終わり、これからキルギス(現地の言葉ではクルグズスタン)に移動します。
ウズベキスタンとキルギスの国境は現在封鎖されており、直接キルギスに渡ることができません。(Mさんによるとフェルガナ地方の一部国境は開いていてそこから入国したということですが、フェルガナ地方の国境は危険レベル3に指定されている場所。旅の達人でなければそんな危ないマネはできません。)
そこで陸路で移動するにはカザフスタンを経由しないといけません。空路で入ることもできますが料金がバカ高く設定されています。列車も運行されていますが週1便だけ。確実なのは長距離バスターミナルから日に2便(18:00と19:00発)出発する夜行バスに乗ることです。
ウズベキスタン航空でウルゲンチ空港からタシケント空港まで約1時間のフライトで戻って来ました。群がってくる白タクを無視し、空港からバスターミナルまではバスと地下鉄で移動することに。”rome2rio”で検索すると何番のバスに乗ればいいか、どこで乗り換えればいいかなど全てマップ付きで教えてくれるのです。バスは安くて便利です。もっと早く使えば良かった。
バスはワンマンで、降りる際にドライバーに現金を渡すようになっていましたが、ひとり白人のオヤジバックパッカーが後部ドアから降りてそのまま行こうとしました。ドライバーがそれに気づき呼び止めましたが、現地通貨を持ってない、というようなことを言ってそのまま立ち去ったのでした。気の小さい日本人はとてもあんなマネはできません。
バスチケットは早く売り切れると聞いてちょっと心配しましたが19:00のチケットを入手しました。もし売り切れていたら次善の策としてカザフスタンのシムケントまで自力で行ってそこから長距離バスを押さえるしかありませんでした。
バスは19:00に出発して1時間ほどでカザフスタンとの国境に到着。他の車も行列を作っていました。車を降りて荷物を持ち、出国審査の列に並びます。麻薬犬も2匹いて車の中やエンジン室まで隅々調べていました。出国審査は時間がかかり全員終わったのは90分後。バスに乗り10mほど行くと今度はカザフスタンの入国審査。またバスを降り荷物を持って列に並びます。入国審査は30分ぐらいで終わりました。
シムケントまでは約1時間の距離。そこを過ぎるとバスは進路を東に変えます。
照明が消え夜行バスになりましたが、ドライバーが自分の眠気防止のためか音楽をガンガンかけるため眠れやしません。こういう時のために耳栓も用意していたのですが、役に立ちませんでした。他の乗客たちは気にせず寝てましたがどういう神経をしているのだろうかと思います。結局最後まで音楽は止むことはありませんでした。
夜のカザフスタンはとても寒く真夏から真冬に来たようです。慣れている人はジャンパーを着ていました。
カザフスタンとキルギスはウズベキスタンより1時間早いので、時計を1時間進めました。カザフスタン時間7時(ウズベキスタン時間6時)ごろ夜明け。夜明けと同時に2回目の国境が近づいてきました。
またバスを降りて荷物を手に持ち、カザフスタンの出国審査を受けます。そのあと今度は歩いて10mほど行ってキルギスの入国審査を受けました。歩いて国境を渡ったのはこれが初めての経験です。今回は荷物検査もなく、簡単に審査が終わりました。
入国審査を出たところに両替屋がありました。US$100を両替したところ6790ソムに。日本円だと10,670円ぐらいなので、通貨の単位としてはかなりまともです。
ビシュケクバスターミナルに着いたのは朝10:30。14時間30分の長旅でした。
座席の隣にいたキルギス人の青年には入出国カードの書き方を教えてもらったり、通訳の代わりをしてもらったり、最後にはゲストハウスまで車で送ってもらったり大変お世話になりました。
ちょっと休憩後街歩き。
キルギスはウズベキスタン以上にキリル文字とロシア語の世界です。看板を見てもちんぷんかんぷんです。
公園や遊歩道はよく整備されていてきれいでした。
民族の英雄叙事詩のヒーロー、マナス王。
アラ・トー広場の向こうには天山山脈の雄姿を見ることができました。
キルギスは雲が多く肌寒い。用心で長袖1枚持ってきていて良かった。ゲストハウスのオーナーによると昨日までは夏だったのに、今日から天気が急変して秋になったとのこと。タイミングが悪すぎます。
街を歩いていて「RAMEN HOUSE」という看板を発見。ここならラーメンが食べられるかもしれないと期待。何しろ食あたりのせいで1日以上まともなものを食べてないので。
出てきたのはインスタントラーメンでした。それも日本のラーメンじゃなくて韓国の辛麺みたい。まあこれで生き返ったのだから贅沢は言うまい。
寿司のメニューもありましたが、内陸国のキルギスで寿司はかなり怪しい。
地元デパートの中にもう一つ日本もどきを発見。
おしゃれな雑貨を揃えていていかにも日本風ですが、ネットで調べてみると中国の広州の企業がやっているらしい。世界各地で展開しているらしく、そういえばキルギスの青年も日本の企業で成功している例として挙げていました。くまもんのイラストを使ったり、日本語を入れたりして日本企業を装っていて日本人以外なら騙されます。